第8期 砂で世界旅行・ドイツ編 ~中世の面影とおとぎの国を訪ねて~

「ドイツのお城」や「グリム童話」などを作品モチーフに、ドイツの美術や童話の登場人物などを表現した23体の砂像を制作展示。
茶圓勝彦氏をプロデューサーとし、海外から19名の砂像彫刻家が参加し、制作にあたった。

グリム兄弟の銅像(ハーナウ市姉妹都市記念)

グリム兄弟の銅像(ハーナウ市姉妹都市記念)

ドイツ中心部の街ハーナウに生まれ、19世紀に活躍したグリム兄弟。兄ヤーコプ・グリム、弟ヴィルヘルム・グリムの2人が編纂したグリム童話は、世界中で多くの人に親しまれています。彼らは本来、言語学・民俗学の分野においてドイツを代表する学者兄弟で、「工業化社会で失われつつある古い言葉や伝統を保存しなければ」という思いを抱いていました。彼らが生まれたドイツ中心部の街ハーナウ市のマルクド広場には兄弟の銅像があり、それはブレーメンまでつながるメルヘン街道の起点となっています。また、2001年にはハーナウ市と鳥取市とは姉妹都市提携を結んでいます。 砂像彫刻者:Pavel Mylnikov(パベル・ミリニコフ)/ロシア

『ヘンゼルとグレーテル』グリム童話より

『ヘンゼルとグレーテル』グリム童話より

飢饉に苦しんだ末、実の親から捨てられてしまった兄妹ヘンゼルとグレーテル。二人は迷い込んだ森の中でお菓子の家を見つけました。おいしそうなお菓子に引き寄せられて近づいていくと、そこには人食い魔女が住んでいて二人は捕まってしまいます。なんとか食べられまいと考えたグレーテルは、魔女をかまどの前に誘導し、思い切り突き飛ばしました。 こうして助かった兄妹は、魔女の家にあったたくさんの財宝を抱え、両親の元へ帰ります。再び揃ったことに家族は喜び、財宝のおかげで食べ物に困ることなく幸せに暮らしました。 砂像彫刻者:Enguerrand David(アンゲフォン・デイビット)/ベルギー

『ハーメルンの笛吹き』グリム童話より

『ハーメルンの笛吹き』グリム童話より

昔々、ハーメルンの街では大量に発生したねずみに困り果てていました。そこへ「私の笛でねずみを退治しましょう」と色とりどりの布で作った衣装をまとう笛吹き男が現れました。男は笛の音でねずみを川に集め、一匹残らず退治しましたが、町の人々は約束した報酬も与えず色々な文句をつけて笛吹き男を街から追い出してしまいました。 笛吹き男は6月26日に再び街にやってきて笛を吹き始めました、すると笛の音に誘われた町中の子供130人が笛吹き男についていき、二度と街に戻ることなく消えてしまいました。このお話により、ハーメルン市では道端で笛を吹き鳴らすことを禁ずる法律があるそうです。 砂像彫刻者:Pavel Mylnikov(パベル・ミリニコフ)/ロシア、Arianne van Rosmalen(マリアンヌ・ファン・ロスマーレン)/オランダ

『ブレーメンの音楽隊』グリム童話より

『ブレーメンの音楽隊』グリム童話より

年をとったロバ、イヌ、ネコ、ニワトリは、仕事ができなくなってしまったので、ブレーメンに行って音楽隊に入ろうと決意します。ブレーメンの行く道の途中、一行は泥棒たちが住み着いている家にたどり着きます。そして、年をとった動物たちは協力して泥棒たちを追い出すことに成功します。動物たちは大好きな音楽を奏でながら仲良く暮らしました。我々に協力することの大切さ教えてくれるグリム童話のお話です。 砂像彫刻者:Enguerrand David(アンゲフォン・デイビット)/ベルギー

『赤ずきん』グリム童話より

『赤ずきん』グリム童話より

赤いビロードのずきんをかぶった女の子がいました。おばあさんからもらったお気に入りでいつも身につけていたため、皆に“赤ずきん”と呼ばれていました。ある日、赤ずきんは病気のおばあさんのもとへお菓子とぶどう酒を届けることになり、寄り道はしないようにお母さんから注意されます。しかし寄り道をした赤ずきんはオオカミと出会ってしまいます。赤ずきんの「どうしておばあさんの・・・」とオオカミの「それはね・・・」というやりとりが印象的なこのお話は約束を守る大切さを教えてくれるグリム童話であり、大変よく知られている作品の一つです。 砂像彫刻者: Andrius Petkus(アンドリウス・ペトクス)/リトアニア、Arianne van Rosmalen(マリアンヌ・ファン・ロスマーレン)/オランダ

『白雪姫』グリム童話より

『白雪姫』グリム童話より

雪のように白く美しいと称される“白雪姫”がいました。世界で一番美しいのは自分だと思っている継母の王妃は、魔法の鏡が「世界で一番美しいのは白雪姫です」と答えたことに怒り、姫を亡き者にしようとします。そして王妃の毒リンゴにより息を引き取った白雪姫。小人たちは悲しみ、ガラスの棺を作りました。その姿を見た王子様はあまりの姫の美しさに口づけをします、すると姫の口から毒リンゴがこぼれ、永遠の眠りから覚めたのでした。「鏡よ鏡、鏡さん。世界で一番美しいのはだれですか?」というフレーズで有名なグリム童話です。 砂像彫刻者:Enguerrand David(アンゲフォン・デイビット)/ベルギー

ベルリンの壁建設

ベルリンの壁建設

1961年に西ベルリンを東ベルリンおよび周辺の東ドイツ地域と分離するためにつくられたベルリンの壁。当時のドイツは1945年の第2次世界大戦終結以降、西ドイツと東ドイツに分裂していました。 やがて東ドイツの経済は悪化していきましたが、西ドイツの経済は成長を続けたために、東ドイツから西ドイツへ逃亡する人々が増加しました。この住民流出に危機感をいだいた東ドイツ政府は住民の流出を防ぐ為に巨大な壁を建設して東西の境界線を封鎖し、これがベルリンの壁と呼ばれるようになりました。 砂像彫刻者:Yang Lidong(ヤン・リドン)/中国

カール大帝の戴冠式

カール大帝の戴冠式

フランク王国第2代国王のカール大帝。800年にローマのサンピエトロ大聖堂で、教皇によりローマ帝国皇帝の帝冠を与えられました。戴冠の背景には、西ローマ帝国崩壊以降、東ローマ帝国(コンスタンティノープル)の権威が強くなっていたこと、その東ローマ帝国から独立してローマ教会の復権を図るべく、台頭するフランク王国をその保護国としたかったことなどがあります。 カール大帝は西ヨーロッパ全域を統一し、教育、文化、社会規律などを整備し、広域的な政治的安定をもたらしました。その偉業から、彼は「ヨーロッパの父」とも呼ばれています。 砂像彫刻者:Zhang Yan(チャン・ヤン)/中国

グーテンベルクと印刷機

グーテンベルクと印刷機

15世紀にドイツの金細工師ヨハネス・グーテンベルクによって発明されたといわれる活版印刷技術。火薬や羅針盤とあわせてルネサンス三大発明のひとつといわれています。発明以前の書物は木版または手書きでつくられていましたが、活字を組みかえて版をつくる活版印刷技術によって大量に、簡便に書物を発行することができるようになりました。 この技術によって印刷された「グーテンベルク聖書」は多くの人の手に渡り、聖書が市民によってより身近な存在になりました。後の16世紀におこった宗教改革においても、ルターの提唱する理念や考え方を広めるうえで活版印刷技術が役立ったといわれています。 砂像彫刻者:Karen Fralich(カレン・フラリック)/カナダ

ルターと宗教改革

ルターと宗教改革

16世紀、キリスト教世界における議会体制の革新をしたマルティン・ルター。厳格な教徒であった彼は、ローマカトリック教会の世俗化、聖職者の堕落などキリストの恵みをないがしろにした行為に不満を抱いていました。そして教会が資金集めの為に贖宥状(教会の権威において罪を軽減するもの)を販売することに対し、九十五ヶ条の論題を掲げて批判しました。 彼はこのことによって異端者として破門されるも、自説の思想と著述に専念し、やがて聖書のドイツ語版を完成させました。その翻訳は一般市民にもわかりやすく、活版印刷技術によって各地に広まりました。これは後にドイツ語の発展、社会改革へとつながっていきました。 砂像彫刻者:David Ducharme(デイビッド・ドゥシャーム)/カナダ

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ドイツのお城(ノイシュバンシュタイン城、ホーエンツォレルン城、ライン河畔古城)

中世の騎士に強い憧れを抱いた孤高のバイエルン王、ルートヴィヒ2世の夢が詰まった絢爛豪華な城ノイシュバンシュタイン城(中央)は、緑豊かな森に白亜のシルエットが際立つ美しさです。また、ドイツ歴代の皇帝を輩出した大貴族ホーエンツォレルン家により守り継がれてきた、天空の城ホーエンツォレルン城(右側)は、その名の通り雲海に包まれた姿が絶景です。 ドイツには現在でも数千以上、廃墟を含めると2万以上の城があり、ライン・ドナウ・ネッカー河畔など大自然と城の織りなす美しさ(左側)、街並みや風景の一つ一つが物語の舞台のようです。各地を訪れるだけで自然とメルヘンの世界・おとぎの国へ導き、その姿は人々に夢を与え続けています。 砂像彫刻者:Leonardo Ugolini(レオナルド・ウゴリニ)/イタリア

宮廷の風景

宮廷の風景

舞台は19世紀のバイエルン王国。プロイセンとオーストリアの間で情勢は複雑化し普墺戦争へと発展していきます。そして、ドイツは統一への第一歩を踏み出しました。ですが、美を愛し理想の世界に生きる若き国王ルートヴィヒ2世には、戦争という厳しい現実は耐え切れないものでした。益々現実から逃避し芸術や音楽の世界にのめり込んでいく彼は、幼い頃からの夢白鳥の騎士伝説を具現化すべくノイシュバンシュタイン城を建てます。そんなルートヴィヒの追い求めた世界観とグリム童話『灰かぶり姫』に登場する舞踏会のシーンを重ね合わせて、ドイツ近代の宮廷の様子を表現しました。 砂像彫刻者:Ilya Filimontsev(イリヤ・フィリモンツェフ)/ロシア

『灰かぶり姫』グリム童話より

『灰かぶり姫』グリム童話より

裕福な父と優しい母の元に生まれた心美しい姫がいました。母が病で息を引き取り、父が再婚したことで彼女の運命は大きく変わってしまいます。“灰かぶり”の意味を持つアッシェンプッテルという呼び名がつくほど辛い日々が始まり、継母と姉たちに朝から晩まで働かされ自由を奪われた彼女は、毎日母の墓前で涙を流しました。こぼれ落ちる涙は一本の枝を立派な木へと成長させ、優しい小鳥たちが集まり彼女を支えます。小鳥たちのおかげで舞踏会へ参加した彼女は王子様と出会い、夢のような時間を過ごしました。 束の間の幸せを経て現実に戻った彼女でしたが、金の靴を頼りに王子との再会を遂げ、そして二人は幸せに結ばれました。このお話は“シンデレラ”の物語として世界中で知られています。 砂像彫刻者:Susanne Ruseler(スザンヌ・ルセラ)/オランダ

ジグマリンゲン城と中世の城壁

ジグマリンゲン城と中世の城壁

作品中央に配置したのは、ホーエンツォレルン家の支系であるホーエンツォレルン=ジグマリンゲン家の居城であったジグマリンゲン城。周囲に水をはり、ドナウ川河畔から眺める優美な姿を表現しています。そのまわりを取り囲むように配置したのは、ローテンブルクに代表される城壁都市をイメージした城壁。中世ドイツの城壁都市には商工業が集まり、やがて産業が発達していきました。それら商工業に従事する「城壁の中の市民」のことをブルジョワと呼ぶようになりました。その語源はブルク(都市)であるといわれています。 砂像彫刻者:Kevin Crawford(ケビン・クロフォード)/オーストラリア

ドイツの音楽(バッハと「バロック音楽」)

ドイツの音楽(バッハと「バロック音楽」)

18世紀に活躍した作曲家ヨハン・セバスティアン・バッハ。バロック音楽期最大の音楽家として西洋音楽の基礎を築き、「音楽の父」と呼ばれています。バロック音楽とは音楽史における17世紀から18世紀の音楽様式を指し、その特徴はバロック以前のルネサンス期のものより情念的であり、劇的な表現にあふれています。バロック音楽期以降は古典派、ロマン派へと移り変わり、数多くの偉大な音楽家がドイツの歴史を彩りましたが、その多くはバッハの影響を受けているといわれます。2015年はバッハ生誕330年にあたり、現代においても多くの人々を魅了し続けています。 砂像彫刻者:Jill Harris(ジル・ハリス)/アメリカ

ドイツの文学(ゲーテと「ファウスト」)

ドイツの文学(ゲーテと「ファウスト」)

18世紀後半から19世紀初頭にかけて発表した数々の名著で知られるゲーテ。その著書は当時の社会に大きな影響を与えたといわれます。なかでも代表作といえる「ファウスト」はゲーテの生涯をかけた大作であり、実在したファウスト博士の物語をもとに描かれました。作品は、ファウストがメフィスト(悪魔)と人生の喜びや悲しみ全てを経験できることと引き換えに、死後の魂を奉げる契約をしたシーンを表現しています。 砂像彫刻者:Dmitry Klimenko(ドミトリー・クリメンコ)/ロシア

ドイツ統一(ビスマルクと「ヴィルヘルム1世」)

ドイツ統一(ビスマルクと「ヴィルヘルム1世」)

1815年のウィーン議定書によってドイツ連邦は複数国家の連合体となっていましたが、やがてそれを統一する機運が高まっていきました。連邦はプロイセン王国とオーストリア帝国の2大国を中心に構成されていましたが、プロイセン王国の首相ビスマルクはプロイセン中心のドイツ統一を目指し、武力によってそれを実現しようとしました。そのため、ビスマルクは鉄血宰相と呼ばれました。やがて1866年のオーストリア帝国との戦争に勝利したプロイセン王国はドイツ連邦を解体し、北ドイツ連邦を成立させました。 これが母体となり、1871年にプロイセン王国のヴィルヘルム1世を皇帝とした統一国家であるドイツ帝国が誕生しました。 砂像彫刻者:Thomas Koet(トーマス・クォート)/オランダ

ベルリンの壁崩壊

ベルリンの壁崩壊

1989年にハンガリーとオーストリアの国境が解放されると、東ドイツからそれらの国を経由して西ドイツおよび西側諸国へ亡命する人々が増加しました。同時に東ドイツではデモが拡大し、自由を求める機運が高まりました。これらの動きを東ドイツ政府は抑えることが出来ず、やがて自由旅行の規制緩和発表へとつながったのです。この発表を知った東ドイツ市民は大挙して壁に押し寄せ、28年間存在し続けた巨大な壁はついに崩壊し、東西ドイツの再統一を果たしました。2015年、この国民による非暴力の革命から25年を迎えます。 砂像彫刻者:Eva Suzuko Mcgrew(エヴァ・スズコ・マクグリュー)/アメリカ

ドイツの科学

ドイツの科学

手前にはルドルフ・ディーゼルが開発した、ディーゼルエンジン。作品右上に配置したのはオットー・リリエンタールが成功させたグライダーを使った初の有人飛行。左には彼の名が代名詞となるくらい可能性を大きく開花させたツェッペリン伯爵の硬式飛行船。その下には炭疽・結核・コレラなど近代細菌学の開祖であるロベルト・コッホ。そして作品右下には一般相対性理論や特殊相対性理論が有名なアインシュタイン。1921年には光量子仮設によってメーベル物理学賞を受賞しています。これらの高度な科学技術力は第2次世界大戦以後の急速な復興の礎となりました。 砂像彫刻者:Guy Olivier Deveav(ギー・オリビエ・ドゥヴォ)/カナダ

現代のドイツ

現代のドイツ

現在、EU屈指の経済大国としてその存在感を高めているドイツ。作品右に配置したのはユーロ圏の中央銀行であるEU中央銀行とそのマークで、本部はドイツのフランクフルトにあります。作品中央に配置したのは世界遺産のケルン大聖堂で、多くの観光客で賑わいます。作品左に配置したのはドイツを中心にEU圏の各地をつなぐ高速鉄道ICEで、域内の人的交流拡大の役割を担っています。ドイツは世界屈指のサッカー大国であり、国内リーグのブンデスリーガには多くの日本人が所属しています。人、物、文化が広くヨーロッパまたは世界を行き交う現代において、ドイツはその中心的役割を果たすべく取り組んでいます。 砂像彫刻者:Brad Goll(ブラッド・ゴール)/アメリカ

ドイツの美術「母の肖像」《アルブレヒト・デューラー》

ドイツの美術「母の肖像」《アルブレヒト・デューラー》

ドイツルネサンス期に活躍したドイツ美術史上最大の画家アルブレヒト・デューラー。14世紀からイタリアで始まったルネッサンスの動きは、やがてドイツなど西欧諸国へとわたり、北方ルネサンスと呼ばれるようになりました。イタリアで学び忽ち頭角を現した彼は、北方ルネサンスの代表的画家であり、1512年には皇帝マクシミリアンの宮廷画家となります。繊細で緻密な作風は、木版画・水彩・油画を問わず美しく、ドイツ国内はもとより、諸外国にまで名声を得ました。本作品は1514年に自身の母を描いた「母の肖像」をモチーフとしています。 砂像彫刻者:Pavel Mylnikov(パベル・ミリニコフ)/ロシア

ドイツの美術「青い馬の塔」《フランツ・マルク》

ドイツの美術「青い馬の塔」《フランツ・マルク》

カンディンスキーとともに、ドイツ表現主義の集団“青騎士”を組織したことで広く知られている画家フランツ・マルク。物質主義・合理主義に走る社会を嫌った彼は、純粋で無垢な存在として動物を好んで描きました。またゴッホのいきいきとした表現から大きな影響を受け、より“自由”を求めた抽象的な作風へと進化していきます。そして、色の与える効果に意味を見出そうと研究を続けた彼は、“現実の色彩から離れ、ものに別の色彩をつける”という特徴的な世界観を確立していきました。 砂像彫刻者:Ruslan Korovkov(ルスラン・コロフコフ)/ブルガリア

アンネの日記

アンネの日記

舞台は第2次世界大戦中、ドイツ占領下にあったオランダのアムステルダムの隠れ家。ユダヤ系ドイツ人の少女アンネ・フランクによる手記をまとめた日記形式の文学作品です。ドイツのユダヤ人狩りから逃れるため身をひそめて暮らす日々。物音一つたてることが許されない環境にあっても明るく、未来に希望を持ち続け、平和を希求するアンネの生き方が文面に表れています。少女の葛藤や成長が生き生きと描かれた日記が残りますが、アンネは15歳の時強制収容所で最後を迎えます。そして、戦後、父オットーの尽力により出版された『アンネの日記』はベストセラーとなりました。多感な少女を通し綴られたこの作品から人々は、ホロコーストという事実以上に大きな希望・感銘を受けています。 砂像彫刻者:Ruslan Korovkov(ルスラン・コロフコフ)/ブルガリア

ドイツ再統一の象徴、ブランデンブルク門~25周年モニュメント~

ドイツ再統一の象徴、ブランデンブルク門~25周年モニュメント~

2015年は東西ドイツ再統一25周年にあたります。作品奥に配置したブランデンブルク門は、「東西分割と統一の象徴」としてドイツのユーロコインの裏側にも描かれています。作品手前には、ベルリンの壁を突き破って握手をする大きな手を配置しています。真ん中に配置したのはベルリンの市民のイメージで、再統一が市民による非暴力の革命であったことを象徴しています。 砂像彫刻者:茶圓勝彦(ちゃえん・かつひこ)/日本